「信じる者を義となさる」

 1999年11月7日

ローマの信徒への手紙第3章21~26節

辻中徹也牧師

 

  • 今朝の聖書日課のテ一マは<保全の契約 ノア>です。人間の悪に心を痛め た主は、被造物を「地上からぬぐい去る」決意をしました。洪水の後、主はノ アとその息子達と「保全の契約」を結びます。二度と滅ぼさない契約のしるし に、主は雲の中に虹を置かれました。人間の悪は洪水の原因でしたが、その悪 を主は愛と忍耐と憐れみの対象とされたのです。肉親を失った者にとって死が 神の罰や裁きならば耐えられません。しかし、主は愛のうちに召された者をお いていて下さるのです。そこに慰めを与えられます。

  • 伴侶の死は、残された者に大きな衝撃を与え、体の変調さえきたします。 「伴侶の死を悲しむ気持の流れに素直に向き合い、感情を表現することが大切」 で、この「喪の仕事」が不十分だと、抑うつ状態がひどくなったり、不眠、食 欲不振が長引いたりするそうです。 「死別は喪失だけでなく、得られるニともある」。「悲しみを経験することで優 しくなれる。伴侶の生き方や考え方が生前よりも鮮明に見え、励まされること もある。のこされたパートナーへの故人からの贈り物」。そんな見方を勧めて いる精神科医もおられます。

  • 十字架を負って死んだイエスは、三日後復活されました。イエスの死に打ち ひしがれていた者が再び立ち上がり、生き生きと生き、他者をも生かす者ヘと 変えられました。彼れもまたイエスから贈り物を頂いたのではないでしょう か。ファリサイ派という律法主義者だったパウロも、回心の出来事の中で、イ エスからこの贈り物をもらったのでしょう。

  • イエスをキリスト、救い主と信じ受け入れることにより、「神の義」が与え られるとパウロは記しています。「神の義」は神と人間との関係が真実なもの となり、人間が神の愛の対象として救われる、その実現を言います。死に至る まで神の愛を生き抜かれたイエスと出会い、信じ、受け入れるところに神と私 の関係は回復されます。イエスが死によって与えた贈り物は復活の命であり、 永遠の命です。ー人の人間がそニに生きる力を与えられるのです。そして神の 国はその一人を通して生み出されていくのです。この自覚を持って与えられて いる命を生きる者とならせていただきましょう。

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