1999年 7月18日
コロサイの信徒への手紙1:3~8
辻中徹也牧師
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コロサイの教会はパウロの協力者エパフロイによって福音を知り、教会の基礎が据え られた。エパフロイはコロサイの出身で、ラオディキア、ヒエラポリスの教会ともつな がりがあった。エパフロイはパウロ一行にコロサイの様子を「霊に基づく愛を持って歩 んでいる」と知らせた。そこにパウロ一行の喜びと神への感謝が生まれた。
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その背景には、コロサイがある宗教思想に影響される恐れがあったため、喜びと感謝 は一層深いものとなった。パウロはその宗教思想への警戒をも記している。「人間の言 い伝えに過ぎない哲学」「むなしいだまし事」また「何の価値も無く、肉の欲望を満足 させるだけ」と記し、「世を支配する霊に従うこと」だと手厳しい。しかし、コロサイ の教会はそれとは一線を画し、信仰と愛の実践、希望に生かされる歩みをしていた。
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95年の「信徒の友」のコラムにオウム真理教を反面教師にした教会形成のポイント が記されていた。①広い関心、開かれた群れ。②あらゆる年代、世代が集う群れ。③超 能力志向でなく人格の重さを受け入れる群れ。④支配力、権力欲、独占欲ではなく仕え ていくことを第一義とする群れ。⑤マインドコントロールされない、セルフコントロー ルできる人が集う群れ。⑥全体主義的傾向を阻止できる、民主的な群れ。私たちはキリ ストを希望とし、キリストの勝利によってあがなわれ、解き放たれた群れである。
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新ガイドライン関連法案などを成立させた今の日本という国家は巨大なオウムといえ ないだろうか。キリストという「天に蓄えられた希望」を希望とし、こんな時代である からこそ福音の実を結び、成長していくことを祈り求めたい。キリストを通して与えら れる神の息吹である聖霊によって、愛を知らせていく群れとなることへ招かれている。