「回復の日」

1998年12月13日

アモス9章11~15節

辻中徹也牧師

 

  • 心の自立には段階があります。幼児から少年、少年から青年、青年から大人だそうです。そして、その延長に社会か らの自立があります。人は神と出会うとき社会からも自立する存在なのです。
  • 預言者アモスが活躍した時代は、北王国イスラエルが一時的に隆盛をなし、貧富の差が増し、弱いものが踏みつけら れていました。アモスはイスラエルへの神の裁きを預言し、「正義を洪水のように、恵みの業を大河のように、尽きることなく流れさせよ。」と、神への立ち帰りを預言しました。しかし、指導者達は彼を国外へ追放し、やがて、イスラエルはアッシリアに滅ぼされます。与えられた箇所は、神の厳格な裁きを体験した民に、アモスの弟子たちが神に立ち帰ることによって成る「後の日の回復」を預言してアモスの預言を締めくくった箇所です。預言者アモスの姿に、神との出会いによって社会から自立して立ち上がった人間の姿を見出すことができます。
  • 神との出会いによって社会から自立していくこと、主イエスと出会って私が私の個性を生き始めることに私たちは招 かれています。暗闇の中に灯ったクリスマスという出来事の到来を待望する、その喜びは、私たちが「回復の日」を待望し、その実現を担っていくものとして、もう一度私らしく生きさせてもらえる、その喜びであります。
  • 旧約の時代の預言者たちが歩み抜き、主イエス・キリストによって歩み抜かれたその道に連なることを待望しつつア ドベントの期間を共に歩んで参りたいと思います。

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